8/31~9/7予定の硫黄島での戦没者遺骨収集活動延期

2011 年 8 月 9 日 カテゴリー: ニュース

8/31~9/7に予定されていた、硫黄島での戦没者遺骨収集活動は、支援する海上自衛隊が深刻な水不足に陥っているため延期の予定。


参考記事:毎日新聞 2011年8月9日 東京朝刊

遺骨収集:硫黄島での活動延期 支援の海自、水不足で

 政府は8日、今月末から8日間の日程で予定していた今年度初となる硫黄島(東京都小笠原村)での戦没者の遺骨収集活動を延期する方針を固めた。降水量が少なく、同島に駐在して収集を支援する海上自衛隊が深刻な水不足に陥っているためで、貯水量の回復を待って再検討する。

 8月31日から9月7日まで、日本遺族会など5団体の会員と、初めて募集したボランティアら計約50人が海自の施設に宿泊し、収集活動を行う予定だった。

 防衛省によると、硫黄島は、滑走路に降った雨をためる約8万トンの池が唯一の水源。1~6月の降水量は例年の4割にとどまり、貯水量が1万3000トンを切る「約20年ぶりの渇水危機」(同省幹部)となった。その後やや水量は回復し、今月4日時点では約2万1000トンに回復したが、10月末には水が枯れる可能性があるという。

 既に同省は島に駐在する海空自衛隊員の8割を引き揚げ、訓練も中止した。残った隊員や建設業者ら約90人は風呂に入らずシャワーは週3回、食事もレトルトという節水生活を続けており、厚生労働省などと協議し、収集活動は難しいと判断した。

 硫黄島での遺骨収集は、菅直人首相が徹底を指示し、政府は昨年、特命チームを設置。今年4月から厚労省の職員数人を常駐させ、派遣隊と合わせて年間600人規模で継続的に活動する計画だったが、震災対応や水不足の深刻化で職員の常駐もできていない。…


参考記事:8月10日 4時25分 NHK

硫黄島遺骨収集 水不足で延期へ

小笠原諸島の硫黄島で、今月末から予定されている戦没者の遺骨収集が、島の水不足のため延期される見通しとなっています。

太平洋戦争末期に激戦地となった硫黄島では、今も1万2000人を超える日本兵の遺骨が見つからず、国による遺骨収集が続けられています。ことしは厚生労働省の職員のほか遺族やボランティアおよそ50人が、島に駐在している海上自衛隊の施設に宿泊して、今月30日から9日間の日程で活動を行う予定です。しかし、ことしは雨の量が少なく、島は深刻な水不足に陥っており、防衛省によりますと、遺骨収集の参加者のための飲料水などを十分に確保できないおそれがあるということです。防衛省は、島に駐在する一部の隊員を本土の基地に移したり、シャワーの使用を制限したりして節水に努めていますが、このままでは10月末にも水が枯渇する見込みだということです。このため厚生労働省と防衛省は、遺骨収集を延期する方向で協議を進めています。厚生労働省は「水不足を解消するほどの大雨が降らないかぎり、延期はやむを得ない」と話しています。


※毎日新聞とNHKでは、日程が少し異なりますが、現地の活動日程と、出発到着日を含むかどうかの違いだと思われます。
※硫黄島は、父島や母島よりもさらに200km以上南に位置しております。(硫黄島の地図/航空写真)
関連リンク:
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小笠原諸島父島・母島の降水量、ダム貯水率推移のまとめ
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※2011年9月17日の硫黄島訪島事業は一般参加不可

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