日米海底ケーブル100年

2006 年 7 月 29 日 カテゴリー: blogsニュース

日米海底ケーブル100年 小笠原で確認

日米間を結ぶ通信用の海底ケーブルが開通して8月1日で
100年になるのを前に、このケーブルが小笠原諸島
(東京都小笠原村)父島の北側にある宮之浜の海底に
残されていることを、名城大学の稲葉千晴教授(国際関係論)が確認した。

ケーブルは1906年6月25日に完成、8月から正式に運用された。
日本本土から小笠原、ハワイなどを経由してサンフランシスコまで
1万キロ以上。日本は小笠原以北の敷設を担当した。

モールス符号で、日米間の商業貿易や移民と本土との連絡などに
使われた。電波が弱くなるため、父島など数カ所で通信士が電文を
打ち直し、東京―ニューヨーク間は約8時間、いまの金額にすると
20語で数十万円かかったという。ケーブルは41年の日米開戦直前に
グアム側が切断され、戦後は無線通信の時代になったため放置された。

宮之浜では、ケーブルが海岸近くから沖合に延び、様々な形の
サンゴがへばりついていた。直径は約5センチ。船舶や岩などで
切られないように鋼鉄で覆われている。

稲葉教授は「東京側での位置は不明で、小笠原側でしか確認できない。
当時、日本は技術的に遅れていた。ケーブルを敷設した苦労が
しのばれる」と話している。

2006年07月29日13時26分 朝日新聞

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