石原都知事沖ノ鳥島視察
石原都知事:沖ノ鳥島を視察、日本のEEZアピール
東京都の石原慎太郎知事が20日、日本最南端の沖ノ鳥島
(東京都小笠原村)を視察した。同島周辺が日本の
排他的経済水域(EEZ)であることを国内外にアピールするのが狙い。
シマアジの稚魚を放流したほか、海洋温度差発電所や
浮き漁礁設置の可能性などを確認した後、
「あれは島だ。日本の領土だ。文句あるか」と語った。
都知事の同島視察は初めて。
視察には都や国、同村の職員、学者ら66人に加え、
海外メディアを含む報道陣40人が同行した。
石原知事は同日午後、チャーターした旅客船からボートに乗り移り上陸。
「沖ノ鳥島 日本国」と刻まれた碑にキスをしたり、
日の丸の旗を掲げるパフォーマンスをした後、
周囲の海を遊泳してサンゴなどを観察した。
視察後の船上での記者会見で、石原知事は海洋温度差発電所について
「高い足場を組めば、可能」と述べ、地球温暖化による海面上昇に
関しては「何年か何十年か後に島が沈むことが予想されるので、
(領有権を認める)協定を日本政府が国連で提唱したらいい」と話した。
沖ノ鳥島をめぐっては、中国が「岩」と主張し、周辺海域で事前通報なしの
海洋調査を繰り返している。都は「日本の経済水域であることを実証する」
(石原知事)として今年度、5億円の予算を計上し、近海での
小笠原島漁協の操業を支援している。【田中義宏】
毎日新聞 2005年5月20日