アカガシラカラスバト死ぬ
メスのアカガシラカラスバト死ぬ
絶滅危惧種 小笠原・父島で捕獲
上野動物園(台東区)は一日、環境省のレッドデータブックでも
「絶滅危惧(ぐ)IB類」に指定されている国の天然記念物、
アカガシラカラスバトが、飼育している十二羽のうち
メス一羽が死んだ、と発表した。
このメスは先月中ごろ便に異常が見つかり、その後も
部屋の隅で羽を膨らますなどしていた。
この日の検査で腹に卵が詰まっていることが判明。
正午すぎ、動物病院で死んだことが確認された。
アカガシラカラスバトはハト科で、成鳥は体長約四〇センチ。
体全体は紫を帯びた金属光沢のある黒色で、
頭部が帽子をかぶったように赤紫色。
小笠原諸島から硫黄列島にかけて生息、野生では
五十羽もいないとされる。
同園は二〇〇一年、小笠原・父島で捕獲された三羽を
引き取り、繁殖に取り組んでいた。
死んだメスは、このうちの一羽。飼育下での初繁殖に成功、
計七羽のヒナが育成した。
同園は今秋から別の二羽の一般公開を始めたばかり。
「非常に残念。今後、病理解剖し、原因をつきとめたい」
と話している。 (丹治 早智子)
東京新聞 2005年12月2日