カルスト地形天然記念物に
南島の「沈水カルスト地形」を都の天然記念物に指定へ
都文化財保護審議会は8日、小笠原諸島・南島の「沈水カルスト地形」を
都の天然記念物に指定すべきだと都教育委員会に答申した。
都教委は10日の定例会で、18年ぶりに天然記念物指定を決める見通し。
南島は、父島の南西に位置する無人島で、周辺には石灰岩の小島と
岩が点在している。沈水カルストは、石灰質の土地が雨などで浸食され、
地殻変動で沈んでできた独特の地形。
都教育庁生涯学習スポーツ部によると、
南島一帯は第三紀(約5000万年前から2000万年前)に由来する
学術的にも典型的かつ特徴的な沈水カルスト地形で、
「国の天然記念物に指定されてもおかしくない貴重な自然」という。
都は、小笠原諸島の世界遺産登録を目指し、02年7月に南島一帯と
母島の一部を自然環境保全促進地域に指定した。
03年4月からは、観光客の立ち入り数を制限し、ガイド同行を
義務付けるなどして「エコツーリズム」を実施している。
都の天然記念物指定は、87年の「倉沢のヒノキ」(奥多摩町)以来となる。【奥村隆】
毎日新聞 2005年2月9日
関連リンク 小笠原諸島:世界遺産