ジャック・T・モイヤー氏 死去
ジャック・T・モイヤー氏死去 海洋生態学者、自宅で自殺
東京・三宅島に約50年住みイルカの生態研究などを
していた米国人の海洋生態学者ジャック・モイヤーさんが、
避難先の東京都北区桐ケ丘1ノ5の都営住宅E13-304の
自宅で死亡しているのが10日、見つかった。
家族あての遺書があり、警視庁赤羽署は自殺とみている。
74歳だった。
赤羽署によると、モイヤーさんは、ズボンにセーター姿で
倒れていた。妻に礼を述べる内容の遺書と、
自分が会長を務めるNPO法人
「オーシャニック・ワイルドライフ・ソサエティ」会員あての
謝罪の手紙が室内にあり、机の上に大量の錠剤などがあった。
モイヤーさんは、米国の大学で生物学と東洋学を学び、
朝鮮戦争中、空軍の一員として過ごした。
84年には東京大でさんご礁にすむ魚の生態に関する
研究で博士号を取得した。
三宅島では住民と交流しながら自然や海を学ぶ教室を開くなど、
環境教育にも長く貢献。日本魚類学会理事、
都観光事業審議会委員などを務めた。
2000年の噴火で都内に避難。その後も島の状況などを
住民らに報告していた。
02年6月「三宅島救済アカコッコ基金」を設立した。
(共同通信)