ダイオウイカ生け捕り
深海の大型軟体動物、小笠原沖でダイオウイカ生け捕り
国立科学博物館は22日、深海にすむ大型軟体動物ダイオウイカを
小笠原沖で釣り上げたと発表した。
ダイオウイカの生態には謎が多く、生きたまま釣り上げられたのは珍しい。
博物館の窪寺恒己・動物第三研究室長によると、今月4日、
小笠原諸島・弟島の北東約27キロの沖合で、水深約650メートルまで
垂らした「たて縄」という漁具の針にかかった。
体長(胴体と短い腕を合わせた長さ)は約3・5メートル。成熟前のメスで、
2本の長い腕は失われていたが、残っていれば全長が7メートルに
達したと推定される。
ダイオウイカは動きが鈍いと考えられていたが、このイカは、かなり高速で
泳げそうだったという。引き揚げてまもなく死んだ。
ダイオウイカは最大の軟体動物。全長が18メートルに達した記録もある。
小笠原の沖合は、ダイオウイカなど大型のイカを好んで食べる
マッコウクジラが群れる海域で、窪寺室長らは、深海用のカメラなどを使い、
ダイオウイカを探していた。
(2006年12月22日22時44分 読売新聞)
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ダイオウイカの生きた姿をビデオ撮影 国立科学博物館
欧米で「海の魔獣」と呼ばれるダイオウイカの生きた姿をビデオ撮影する
ことに成功したと、国立科学博物館の窪寺恒己・動物第三研究室長が
22日、発表した。小笠原諸島近海で、調査用の仕掛け針にかかったのを
引き揚げた。これまで死体が海岸に打ち上げられた例などはあるが、
生きた姿を撮影したのは世界で初めてとみられる。
窪寺さんは今月4日、弟島の北東沖に仕掛け針を沈めたところ、
水深640メートルの深海でダイオウイカがかかった。
引き揚げようとすると、海面で腕をくねらせ海水を勢いよく噴射して暴れた。
その様子を撮影した。
このイカは体長3.5メートル、体重約50キロ。目の直径は14センチも
あった。ダイオウイカの特徴の2本の「触腕」と呼ばれる長い腕は
切れていた。完全なら全長7メートルと推定される。卵巣は未成熟で、
メスの子どもとみられる。
ダイオウイカは世界の温帯の水深500~1000メートルの深海に生息する。
全長が18メートルに達したとの記録もある。だが、その生態は
謎に包まれており、窪寺さんらは02年から調査を続けている。
2006年12月22日 朝日新聞