国交省もTSLの支援断念へ
国交省も超高速船・TSLの支援断念へ
超高速船「テクノスーパーライナー」(TSL)の
東京―小笠原航路計画の支援を東京都が断念した問題で、
国土交通省も9日、同航路への公的支援を断念する方針を
表明した。都が同日発表の来年度予算要求に運航支援費を
盛り込まなかったことを受け、判断した。
同計画をめぐって、国交省と都は01年、赤字の穴埋めが
必要な場合は「応分の負担をする」との覚書を交わしていた。
朝日新聞 2005年11月09日19時13分
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東京―小笠原間、TSL就航不可能に
東京―小笠原を結ぶ次世代高速船
テクノスーパーライナー(TSL)が就航できないことが
9日確実になった。東京都、国土交通省は同日、
相次いで運航支援の断念を表明。焦点はすでに
完成したTSLの建造費負担を巡る法廷闘争に移った。
TSLはアルミニウム合金を使って軽量化した船体を
浮かして航行する高速船。国交省が開発を支援、
就航すれば現行約26時間かかる東京―小笠原間の
所要時間を約16時間に短縮できるはずだった。
当初、国交省と東京都はTSLを運航する
小笠原海運(東京・港)が赤字に陥った場合、
赤字分の折半負担で合意。これを受けて三井造船、
日本政策投資銀行など13社が共同出資する
TSLの保有管理会社、テクノ・シーウェイズ
(TSW、東京・港)と小笠原海運が用船契約を結んだ。
しかし、その後の軽油の高騰に加え、小笠原海運が
年間の赤字額が最大20億円に達する可能性がある
と試算。国交省と都に具体的な支援策を要求すると
ともに今年6月、用船契約の解除をTSWに通知した。