都が小笠原航空路開設明記へ
小笠原に定期航空路 都が振興計画変更、開設を明記へ
東京都心と南に1000キロ離れた小笠原諸島(東京都小笠原村)を
結ぶ定期航空路を開設するため、都は14日、
小笠原諸島振興開発計画を大幅に見直し、開設を明記するとともに、
具体的な実施手順などを盛り込むことを決めた。
同計画ではこれまで「航空路案の検討」にとどまり、具体的な検討は
進んでいなかった。超高速船の就航断念を受けた措置で、
再三頓挫してきた「小笠原空港」の実現に大きく踏み出した。
変更された計画では、航空路開設への村民の合意を得た上で、
都と村が協議会を設置する。村民に加え、航空関係者や環境保護の
専門家らから意見を聞く会議を今年度中に実施し、建設予定地を
固める。現段階では都が設置・管理する第3種空港として、
旧日本軍の飛行場があった父島西部の洲崎地区に設置する案が
有力とみられる。
現在、父島へは東京港から定期船で25時間半かかる。国主導で
開発した超高速船テクノスーパーライナー(TSL)は、約16時間に
短縮できるはずだったが、原油高などで大幅な赤字が見込まれ、
就航直前の昨秋、取りやめになった。
一方、都は95年に兄島に新空港建設候補地を決めたが、貴重な
動植物の保護や採算性から候補地が転々とし、01年に
石原慎太郎都知事が白紙に戻した。現在、救急患者の搬送は、
海上自衛隊の飛行艇に頼っている。小笠原村の人口は約2300人。
2006年09月14日16時03分 朝日新聞