淡水化装置の小笠原諸島(父島)での給水支援実績
独立行政法人 水資源機構の9/13発表資料より
小笠原諸島(父島)での給水支援実績
1. 給水支援の背景
小笠原諸島では、31年ぶりと言われる大渇水に見舞われ、父島の水道水源であるダムの貯水率も平年に比べ大幅に低下(7月19日には39%)し、小笠原村では渇水対策本部を設置し、水道水確保のため7月4日からは公共シャワーの停止や集合住宅の給水圧を下げる第1次給水制限を開始するとともに、村民及び来島者には節水を呼びかけている状況でした。
さらに、小笠原諸島は6月に世界遺産に登録され、夏休み期間中には観光客が例年より増加することが見込まれる状況にもあったことから、水資源機構では小笠原村からの要請を受け、可搬式海水淡水化装置を小笠原村父島に貸与し、併せて現地に職員を派遣し、運転操作の技術指導を行うこととしました。
2.給水支援活動実績
(1)支援活動の内容
父島で唯一の小笠原村の扇浦浄水場に対し、①可搬式海水淡水化装置を貸与し、併せて、②浄水場に交替で勤務している役場職員(6名)に同装置の操作・維持管理方法等の技術提供を行いました。
(2)支援活動実績
7/12 貨物船共勝丸にて装置が東京港を出港
7/13 おがさわら丸にて機構職員6 名が東京港を出発
7/14 装置・職員が父島到着、父島扇浦浄水場に装置搬入
7/15 装置組み立て、試運転調整を実施
7/16 給水開始、機構職員による小笠原村職員への技術指導開始
7/22 小笠原村職員への技術指導完了
7/23 機構職員は撤収し、小笠原村職員による装置の運転・維持管理開始
8/26 機構装置の運転終了
8/27 装置の整備、解体撤去
9/7 貨物船共勝丸にて装置を父島から搬出
9/11 貨物船共勝丸にて装置が東京港に帰港
9/12 総合技術センター試験場へ装置返却
(3)給水実績
7月16日から8月26日の41日間にわたり24時間連続運転を実施し、その間約1,500m3の水を供給しました。これは、飲料水に換算すると約50万人相当の水を供給したことになります。なお、台風12号により、8月31日には父島のダム貯水率は100%まで回復しました。
※ 3リットル/人・日で換算。(震災時の飲料水の給水基準(東京都地域防災計画(震災編 平成19年)より))
独立行政法人 水資源機構
小笠原諸島での海水淡水化支援、高い評価を受ける
http://smtp1.water.go.jp/honsya/honsya/news/2011/09/news11091301.html
※この淡水化装置のおかげで、大渇水が起きても、小笠原諸島では安心が確保されました。
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